原作 著作 桜井信一さん 出版 産経新聞出版
中卒のガテン系・桜井信一は、ポストに入っていたチラシを見て、「無料」というのに惹かれ、娘・桜井佳織に無料公開テスト「全国小学生統一テスト」を受けさせた。桜井信一は娘・桜井佳織が「全国小学生統一テスト」で、そこそこの成績を取るだろうと思っていたが、2万6000人中で2万番以下という結果に終わった。桜井信一は、「代々中卒」という流れを変えるため、娘・桜井佳織を大学へ進学させようと考え、塾に問い合わせたところ、「良い大学を目指す人は中学受験をして私立へ行く」という事を知る。桜井信一は、塾へ問い合わせて、桜陰中学校はお金持ちでなくても、学力があれば入れると知るが、いずれの塾も返答は「合格は本人の努力次第」というものだった。しかし、中卒の妻・桜井香夏子は、無駄な夢を見ずに諦めることが大事と考えており、お金のかかる受験に反対だった。知り合いの女子大生・福山に時給1000円で協力を要請し、女子大生・福山が協力してくれる事になった。桜井信一と娘・桜井佳織は、様々な難問にぶつかりながらも、数学の旅人算をスゴロクに置き換えたり、娘・桜井佳織が漢字を間違えると、父親が間違えた漢字を10回書くと言う罰ゲームしたりするなどして、様々な工夫をしながら、受験勉強を進めていった。桜井信一は、受験の素人なので、受験への苦悩や葛藤や疑問、娘の睡眠時間への心配など様々な問題を抱えつつも、手探り親塾を続けていった。しかし、娘・桜井佳織に過去問題をやらせると、桜陰中学校の過去問題は半分程度しかできず、他の中学校なら合格圏内にある事が判明。桜井信一は苦悩するが、初志を貫き、桜陰中学校を受験させる決意をした。その後も受験勉強を続け、やがて、受験勉強の期間が終わると、娘・桜井佳織は「結構、楽しかった」と言ってくれたが、桜井信一は判断ミスや失敗に気付き、「塾へ行かせておけば良かった」と後悔した。こうして、娘・桜井佳織は1年5ヶ月の親塾を終えて、桜陰中学校を受験したが、結果は不合格だった。
というのがネタバレです。友人、家族、お金といった、いろんな問題を抱えながらも目標に向かって進んでいくというストーリーです。

 

原作は桜井信一の「下剋上受験」。中卒の著者と偏差値41の娘が難関中学を受験するまでの1年5か月をまとめた奮闘記です。受験までの記録を著者はブログにも掲載していて、中学受験のブログとして人気がありました。
昼はガテン系の仕事、夜は娘と受験勉強、娘が眠った後は朝まで娘と勉強するために予習、というハードな日々を送ってきた著者である父親を演じるのは阿部サダヲさん。ガテン系の仕事に就いているということで髪をオールバックにしているので、かなり熱い演技がみられることでしょう。それでもコメディタッチなまま終わることはないはずです。実際受験までの日々は相当ハードだったようなのですが、そこに至るまでの話はきっと人情味に溢れ、家族愛を感じられることでしょう。特に、娘に語りかけるシーンは思わずジーンとしてしまうのではないでしょうか。原作では数々の大変なエピソードが登場しますが、親しみやすい文章なので、あまり深刻にならずに読み進めていくことができます。阿部さんならきっと、原作に忠実に、苦労話も明るく共感がもてるように見せてくれると思います。
また、原作では中学受験のポイント的なことも書かれていますが、ドラマでは、そういった受験のコツよりも、親子愛に的を絞って描かれていくのではないでしょうか。進学塾にも通わず、父親が娘のために死にもの狂いで勉強していくなかで、父自身いろいろなことを学び、考えていきます。読み進めていくと、これは受験対策本ではなく、父の成長物語であり、親子の愛の物語でもあると感じると思います。小学校高学年ともなると父親と一緒にいるのが嫌になってくる年頃かと思いますが、原作に登場する娘と父親の関係性はとても羨ましく思うことでしょう。このお話に登場する親子愛は、親から子へだけでなく、子から親への愛も描かれているのです。
笑いあり、涙ありの実話を元にしたストーリー展開に目が離せません。果たして娘は志望校に合格することができるのでしょうか。そして、それまでの日々はどんな家族愛がみられるのでしょうか。